一般的にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲテロン(黄体ホルモン)が入っている薬を「ピル」と総称しています。
避妊用ピル
基本的に毎日1錠ずつ服用することで避妊ができ、低用量ピルになります。三相性と一相性があります。三相性(さんそうせい)ピルはホルモン含有量の違う3種類の錠剤がありますので飲む順番が決まっていて、女性の月経周期に合わせていますので不正出血が少ないや月経周期が安定するなどの利点があるといわれていますので、はじめて使う場合はこちらをお勧めすることがあります。一相性(いっそうせい)ピルは同じ錠剤が3週間続きますので、飲む順番を気にする必要がありません。
緊急避妊用ピル
避妊に失敗した時など、性交渉から72時間以内に1回だけ服用するピル。24時間以内の服用の方が効果が高いと言われています。72時間に間に合わなくなりそうな場合など、診療時間外の場合はまずお電話で連絡ください。
月経困難症用ピル
月経困難症や月経前症候群PMSなどに効果があるピル。月経不順の治療としても使われることがあります。多くが超低用量(低用量よりエストロゲン量が少ない)ピルになりますので、避妊目的で使うことは推奨されていません。周期的投与と連続投与があります。周期的投与は4週間をずつ使い、月経様の出血がだいたい毎月あります。連続投与は、続けて飲むことができるピルで、薬により内服方法が異なりますが、一般的には月経様の出血の頻度が少なくなります。
40歳以降は、エストロゲンによる血栓症などのリスクが上がりますので、エストロゲンを含まない薬(ジエノゲスト)を検討します。
プロゲステロンだけの薬(ジエノゲスト)
ピルではありませんが、黄体ホルモン(プロゲステロン)だけの薬で、月経困難症で使われます。血栓症などのリスクが少ないので、特に40歳以上の方にはおすすめしやすいお薬です。
プロゲステロンだけの子宮内に入れる器具(ミレーナ)
これもピルではありませんが、子宮内に入れる避妊リングに似た器具。月経量の多い方・月経痛の強い方などには保険診療が可能です。出産経験のない方にはあまりお勧めしていません。また子宮筋腫などで子宮の変形がある方には合わない(抜けやすい、出血がかえって増えるなど)こともありますので事前に診察時によくご相談ください(挿入は月経7日目以内)。避妊としても使えますが、避妊目的だけの場合は、自費となります。
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[今までのQ&A]
Q&A)ピル・ホルモン療法をしていますが新型コロナワクチン・感染との関係は問題ないですか
Q&A)他院で妊娠9週と診断され、予定日が決まりました。出生前診断の相談はできますか?